川崎組育成員研修

2013年6月6・7日

東京教区川崎組の研修で、被災地へ行って参りました。今年も真宗大谷派現地復興支援センターの清谷さんの案内で、岩手県の気仙沼市、陸前高田市、釜石市等を回りました。

陸前高田市では、真宗大谷派本稱寺様にて勤行、その後ご住職(佐々木隆道氏)にお話を伺いました。本稱寺様は、当日の津波で全壊。今は近くに仮本堂が建っており、本設の本堂再建に向けて歩まれておられます。佐々木ご住職は、津波でご両親、妹様、奥様を亡くされております。

また、本稱寺様は「勿忘(わすれな)の鐘」の始まりとなるお寺です。下の写真にもあります流された後、がれきの中から見つかった梵鐘を、毎年3月11日の午後2時46分にお参り頂く方々と撞いておられます。この活動は大谷派の全国のお寺に発信されており、稱名寺でも震災1年目、2年目、同日同時刻に、梵鐘を撞きました。来年も実施致します。

ご住職のお話では、震災当日、ご自身が津波にのまれ、怪我をされながら、避難できたこと。その後、数日間の捜索で、奥様・お母様・妹様を発見されたこと。7月になってからようやくお父様を確認できたが、既にお骨になっていたこと。お父様の発見に後押しされる形で仮本堂を建てることを決意され、8月お盆に間に合うよう建設作業が進んだこと。それまで葬儀ができていなかったので合同葬儀をお盆期間に勤められたこと。そして、現在に至る詳細をお話しいただきました。

以下、お話の聞き書きです。
「仮本堂ができた時は、やっとお参りする場所ができたと喜ばれた。寺の大小関わらず、手を合わせる場所の大切さを改めて教えられた。」
「今の一番の不安は岩手県の中でも、被災した場所としなかった場所の意識の違いが大きくなっている。私達はもう忘れ去られているのではないかという不安をみなさんもっている。」
「このような形で訪れて、状況を見ていただける方々がまだいるんだよ、とみなさんにお伝えすると、まだ忘れられてないという確かめができて、ちょっとだけれど安心される。」
「復興はできてない。片付けが済んだという状況。」

勿忘(わすれな)の鐘 http://www.paw.hi-ho.ne.jp/kamesan77/wasurenanokane/pg165.html
現地復興支援センター http://fsc.higashihonganji.or.jp/
現地復興支援センター公式ブログ http://eh-fsc.seesaa.net/

※稱名寺は、真宗大谷派の東京教区(1都8県)の川崎組(かわさきそ)というブロックに入ります。