称友会親睦旅行

2012年10月13・14日

例年、除夜の鐘や花まつりなどのお手伝いをいただいている称友会の旅行で福島県へ行って参りました。数年に一度開催している懇親の旅行ですが、今回は、福島県いわき市にある真宗大谷派明賢寺様に立ち寄り、震災での被害、仙台教区仏青が行ってきたボランティア活動のこと、福島第一原子力発電所に近い場所での生活についてお話を伺いました。
また、国道6号線を北上し通行止め箇所まで見て参りました。車で走りながら、国道沿いを見ただけですが、今年になり警戒区域がとかれた所は、住民の方の姿はまばらで、特に本来は稲刈りの時期で、何もなければ黄金色の稲穂であふれているであろう田んぼが、セイタカアワダチソウとススキが伸び放題の異様な風景になっているのが印象的でした。また、いわき市の沿岸部もかなりの家が津波被害にあっていました。宿泊は、いわき湯本温泉で、7名の参加で一泊二日の旅でした。

仙台仏青 たちあがれ自分 http://namaste.digick.jp/tatiagare/index.html 仙台教区の若手の活動

明賢寺の副住職さんと坊守さんからのお話抜粋(箇条書き)
原発事故のことを、いわきの人から見たら双葉や大熊などの問題、会津の人から見たら浜通りの問題、東北他県の人から見たら福島の問題、関東の人から見たら東北の問題、西日本の人から見たら東日本の問題、世界の人から見たら日本の問題、・・・でも宇宙から見たら地球の問題。自分は当事者ではないとする意識がどうしても出てくる。
人によって、同じ地域に住んでいても色々な考え方がある。福島産の食べ物をどうするにしても、食べるべきだ、食べないべきだなどお互いが主張し強制しあってはいけない。
近くの公園にモニタリングポストがあり線量が表示してある。数値が低いから安心だと言っても、モニタリングポストの周辺は徹底的に除染がされている。同じ公園内でも全然違う。
自分の家を除染しても、出た放射性廃棄物は敷地内に置いておくしかない。一番自分の家から離そうとすると、実は隣の家の一番近くになる。
風評被害。まったく検出されないなら完全に風評被害であると言えるが、少ないにしろ0でないなら、単純に風評とは言えない。他県の方が、たまに食べるくらいなら問題はまずないと考えられるが、福島に住みながら毎日食べ続けることは蓄積されてくるので、基準値以下でも安全だと言い難い。
心配だから他県に避難したらどうですかという優しさも、様々な事情で避難できず、その土地で生きている人にとっては言われたくない言葉。
南相馬が仙台に行くよりも遠くなってしまった。
毎年の春の永代経で、お斎に出していた境内の竹の子が食べられなくなってしまった。

稱名寺では、戦争により供出後返還されなかった梵鐘を1975年に新たに建立した後、除夜の鐘を例年地域の方に公開し撞いてもらっています。称友会はこの除夜の鐘を実施するための集まりとして始まりました。 昨年の除夜の鐘では、一打に付き500円を東日本大震災救援金としていただきました。この旅行を通して継続的な支援を行いたいと会の中で話がまとまり、今年も救援金をいただく形で実施することが決定しました。詳細は後日ご案内します。